シンポジウム「女性マネジメント層30%を実現させるためには、何が必要か」を開催しました
2025年1月14日、「女性エグゼクティブ・リーダー育成プログラム」と日本経済新聞社 人材・教育事業ユニットの共催により、シンポジウム「女性マネジメント層30%を実現させるためには、何が必要か」を開催しました。本イベントは、日経カンファレンスルームを会場に、対面とオンライン配信のハイブリッド形式で実施し、約240名が参加しました。
京都大学経営管理大学院では2023年10月より「女性エグゼクティブ・リーダー育成プログラム」を開講し、日本経済新聞社は2024年7月より「女性の社外取締役育成講座」を開講するなど、女性リーダー育成に向けた具体的な取り組みを積極的に進めています。本シンポジウムは、これらの活動の一環として開催され、女性管理職比率30%の達成に向けた課題とその解決策について議論する場となりました。
3つの基調講演とパネルディスカッションを通じて、産業界、アカデミア、メディアの各分野から多角的な視点で意見が交わされました。基調講演の一つでは、脚本家・小説家の吉田恵里香 氏より朝の連続テレビ小説『虎に翼』の脚本制作に関する経験をもとに、エンターテインメント業界における男女比率の現状や課題、さらに仕事と育児の両立に向けた制度改革の重要性についてお話いただきました。
また、みずほ証券株式会社 代表取締役社長 浜本吉郎 氏および日産自動車株式会社のCHRO 伊原徹 氏からは、女性活躍推進に向けた同社の具体的な取り組みや直面している課題についてお話いただき、女性管理職比率向上のための組織内意識改革や実効性のある支援策、さらには長期的視点でのキャリア支援について実践的な知見が共有されました。


パネルディスカッションでは「女性リーダーが力を発揮するために不足している要素は何か、それをどのようにサポートすべきか」「女性リーダーの強みをどのように捉え、執行サイドの女性トップマネジメントを広げるために何をすべきか。」について率直な意見交換が行われました。
また、本プログラムの昨年度修了生である 住友ゴム工業株式会社 法務部長 弁護士の松林明子氏 をパネリストとしてお迎えし、ご自身の体験談や今後の課題についてお話しいただきました。松林氏は、プログラムを通じて得た学びとして、以下の点を挙げられました。
・役員を目指すことが現実的な選択肢になった
・体系的な知識を習得できた
・実際に活躍する女性リーダーとの対話を通じて、無意識のバイアスや思い込みが解消された
・自社に戻った後、すぐに活かせる実践的な内容が多かった
・修了後も受講生同士の繋がりによって、刺激を受け合い、支え合うネットワークが形成される
・課題としては、この学びを自社に持ち帰った後、どのように多くの人に伝えていくか
こうした議論や体験談を通じて、女性が活躍できる環境を整えるための課題と解決策が、より具体的な形で共有されました。
シンポジウム終了後に実施したアンケートでは、「参考になる取り組みを多く知ることができた」や「女性活躍推進の重要性を改めて実感した」といった参加者の声が寄せられ、盛況に終了しました。